放射冷却の原理
     

シュテファン・ボルツマンの法則
プランクの法則
ウィーンの変位法則
キルヒホッフの法則
                 

赤外線の波長について
ガラスの赤外線透過率の影響について
空以外のものが見える影響について
対流熱伝達の影響について
大気からの赤外線放射の影響について
        

シュテファン・ボルツマンの法則
一般に絶対温度がT(K)である物体の表面からは電磁波が放射されているが,その単位時間当たりの総放射エネルギー量E(W/m2)は,次式で表わされる
         E = εσT4  

 
ここでεは放射率,σはシュテファン・ボルツマン常数(5.67×10-8 W/m2K4)である。
非電化冷蔵庫では、放射面の放射率は0.96を実現しているので、放射面温度が20℃の場合
          = 401 W/m2
放射面の面積は約1m2なので
         E = 401 W

つまり、1時間に401WH(ワット時)=345kcal のエネルギーを放射する
夜間を10時間とすると、夜間に放射されるエネルギー量は3,640 kcal 
水の総量は200リットルなので、このエネルギー量は水の温度を18℃下げる効果に匹敵する(これは理想的な状態を前提としているが、実際には様々な要因によって、理想通りには行かない)

一方、空に星が見えている時には、宇宙が見えていることになり、宇宙の温度はほぼ絶対零度である(正確には3K)から、宇宙からの放射エネルギーは零となるので冷蔵庫にはエネルギーは届かない(但し、大気からは赤外線が放射されるので、正確には零ではない)。 このように、放射(輻射)がほぼ一方的であるために、放射面は夜間に冷やされる。

しかし、放射面やそれに接する水が冷やされると、外気温との差に比例して外部から熱が侵入するために、断熱の度合いにもよるが、温度がどこまでも下がり続けることはない。 また断熱のためのガラスが赤外線を反射・吸収したり、ガラス自体からも赤外線が放射される。ガラスによっては、この影響は非常に大きくなる。
特別な設計をすれば夏の夜に氷を作るこことも可能であるが、実際の冷蔵庫では氷を作ることは難しい。

キルヒホッフの法則
波長が同じであれば(即ち温度が同じであれば)放射率と入射率は等しい
但し透明物質の場合は不透明物質とは定義が異なるので注意を要する

 

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