プランクの法則
太陽熱利用では、太陽光を効率良く吸収して熱に変換することが重要です。例えば、黒色に塗った吸収材料(全ての波長の光に対し高い吸収率を持つ)を用いるとほぼ完全に太陽光を吸収し熱に変換できます。しかし、吸収材料が高温になってくると、材料自体が熱放射の形で外部に熱を放出するようになります。一般に、不透明な材料の場合は吸収率と放射率は等しくなりますから(キルヒホッフの法則)、高い吸収率はそのまま高い放射率となって、せっかく得た熱をどんどん外部に放射して捨ててしまうことになり、効率が悪くなってしまいます。これを解決するために用いられるのが選択吸収材料です。
全ての物体は有限の温度を持ち、その温度に応じて自ら電磁波を放射します。これを熱放射と呼び、熱放射の強度と波長分布は物体の温度の関数となります。熱放射を記述する基礎となるのがプランク(Planck)の法則です。プランクの法則から導かれる物体の放射エネルギーの波長分布を図1に示します。横軸は対数でプロットしています。
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