渡邊さんという方から以下のような質問のメールをいただきました。

「質問があるのですが、非電化冷蔵庫の「詳しい理論」のところに「特別な設計をすれば夏の夜に氷を作るこことも可能である」とありますが、それは具体的にどういった条件が必要なのでしょうか?自分なりに非電化冷蔵庫を考えてみようと思っています。よろしくお願いします」。

 

渡邊さんへの回答は以下の通りでした。

氷を作るための条件は以下の7つです、

(1)放射面積に比べて水の量を(うんと)少なくする、つまり、水を(うんと)薄く張る。→5mm程度がいい

(2)空がよく澄んでいる日に行う

(3)放射面から見て、空以外が見えないようにする、つまり、空以外からの輻射が放射面に入ってこないようにする。平たい屋上などが最適

(4)放射率を(うんと)高くする。できれば0.95以上に→水を張るパッとの内面を黒く塗装する(例えばアサヒペイントの耐熱塗料)

(5)断熱を完璧に行う→断熱材は50mm以上。絶対に隙間をつくらない。

(6)放射面に複数の透明板を重ねて、空中からの熱伝達を防ぐが、透明板の赤外線透過率を(うんと)高くする→赤外線透過率の高い、薄いガラス板が良い。

(7)複数の透明板間で対流が生じないように、桟のようなものを入れる。透明板同士の間隔は広すぎても狭すぎてもいけない(5〜7mmくらいがいい)。

以上の条件を整えれば、真夏の夜に氷を作ることができます。


赤外線透過率を高くするためには、赤外線反射率と赤外線吸収率が共に低い材料を使います。赤外線吸収率は一般に厚さに正比例します。

透明物質の赤外線吸収率の定義

ガラスの赤外線透過率の影響

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