二匹の いきものが うまれた。 みんなで かわいがって そだてた |
もとより、電化製品の快適・便利には及びもつきません。 手足や技を使うことも格段に多くなります。 でも、手足や技を使うことが、愉しさや健康をもたらすことも多そうです。 共同作業が増えて、ぬくもりのある人間関係を築けるかもしれません。 「電化と非電化、どちらがいいか悪いか?」という辛い選択ではなく、「電化と非電化、愉しい方を選ぶ」というのは如何でしょうか? 貧しい昔に戻るのではなく、新しい豊かさを実現する、そのための選択肢の一つとしての非電化という考え方です。 |
■ ローカル化 電脳化というのは、「いつでも・どこでも・だれでも・なんにでもマイクロエレクトロニクス」という社会を目指すことです。 快適・便利の極み(?)の社会です。 人の替わりにコンピューターやロボットが仕事をこなしてくれます(では、人はなにをするのでしょうか?)。 工業化と2人三脚で走ってきたグローバル化は、電脳化とセットになることにより、さらに加速されそうです。 ハイテック競争とマネーゲームに勝ち残った国や会社が圧倒的な力を持ち、支配力を発揮しそうです。 貧しい国は、ハイテック競争に勝ち残れないどころか、競争への参入すら困難な状況に留められます。 貧しい国はますます貧しくなり、失業者がますます増えそうです。 人と人との争いも、ますます増えそうです。 エネルギーの使用量もますます増えそうです。 グローバル化と対極をなす流れもあります。 共生原理で動くローカル化です。 生産活動や経済活動は地域で循環することを基本にして、足りない部分を広域で補います。 環境と雇用を地域レベルで両立させます。 人と人とが、人と自然とが共存して、持続的に平和に生きる社会を目指します。 ヨーロッパの国々は、10年ほど前から、この方向に大きく舵を切りましたが、グローバル化の旗手の米国内でも、あるいは日本国内でも、無視できない勢力に育ちつつあります。 グローバル化 × 電脳化 ⇒ ローカル化 × 非電化 |
■ 消費者参画 消費者と生産者の距離をもっと縮めてみてはどうでしょうか。 生産をローカル化する――農・林・水産業だけではなく、工業も、エネルギー供給も、ローカル化の比率を高めます。 自分で作れるものは愉しみながら作るという自給率も高めます。 例えばマイホーム。 地元の木を使い、家族や友人が主体になって、時間を掛けて(お金はあまり掛けないで)じっくり、納得の行くマイホームを作ります。 モノが壊れたら直ぐ捨てるのではなく、なるべく直して使う。 直してでも使いたくなるような商品を作ります。 壊れたら直しやすいように初めから作ります。 直すところに雇用が生まれるかもしれません。 非電化製品は、自分で作りやすい、直しやすいという点で、消費者参画型の状況を生み出しやすい側面があります。 消費者と生産者の心の距離も縮まるかもしれません。 生産者←←←← →→→→消費者 ⇒ 生産者→→ ←←消費者 |
■ 捨てない文化 50年保つマイホームを建てるとすると、50年後には家一軒分に育つだけの木を植える‥‥大正時代くらいまで、日本人がマイホームを建てる時の常識でした。 「自然が回復するのに要する時間より長く使う」――これが、環境問題を生じさせない生産と消費のあり方なのですが、 この当たり前の考え方は高度経済成長時代に忘れ去られてしまいました。 ドンドン買って、ドンドン捨てることが経済を大きくするとして礼賛されました。 ノーベル平和賞受賞者でケニア環境副大臣のワンガリ・マータイさんが、今年の3月4日、国連の「女性の地位委員会」閣僚級会合で演説し、日本語の「もったいない」を環境保護の合言葉として紹介し、会議の参加者とともに唱和しました。 マータイさんは2月に来日した際、「もったいない」という言葉を知って感銘を受け、世界に広めることを決意したのだそうです。 この話を聞いて顔を赤らめなかった日本人はいないのではないでしょうか。 もったいないことを世界一やっているのが、日本人なのですから。 「愛着がわいて捨てたくなくなる商品」、「壊れても直せば長く使える商品」、「捨てても土に戻る商品」――これが、環境問題を生じさせないモノ作りの考え方と言えそうです。 非電化製品は、シンプルの極みですから、壊れにくい上に、壊れても直しやすいという特徴があります。 「捨てない」あるいは「もったいない」文化に合っていると言えそうです。 |
■ 健康と環境を守る 「人間にとって理想的な室温や湿度をいかにして保つか?」――空気調和衛生工学の50年来の命題はこれでした。空調技術者は知恵の限りを尽くして実現に努力しました。結果、機械は進歩して、ボタン一つで「いつも一定」にコントロールしてくれるようになります。人間はなにもしなくなりました。私も「理想的な室温や湿度‥‥」を信奉していました。温度・湿度を一定に保った部屋では、その温度・湿度を好む微生物(カビやダニ等)だけが異常繁殖して、一旦異常になると、異常が異常を呼んで、オゾマシイ状態になることを、自身で行った2年間にわたる実態調査研究で気が付くまでは‥‥のことです。温度・湿度・酸素濃度・イオン濃度‥‥を「いつも一定」に保つことは、微生物バランスを崩すばかりではなく、身体の免疫抵抗力を弱めることも分かりました。一定ではなくて「ほどほど変化する」のが健康にも、発育にも良かったのです。「高気密・高断熱の家に全自動エアコン」は、どうやら“理想の家”ではなかったようです。 このような話は枚挙にいとまがありません。 快適・便利が健康にもよいとは限りません。 どちらかと言うと健康を阻害することの方が多そうです。もっと自然を取り入れ、身体を動かす――私たちの遺伝子は20万年くらい前からほとんど変わっていないのですから、この20万年間に私たちの祖先が慣れ親しんできた環境を、私たちの遺伝子も歓迎してくれそうです。 LOHAS(Life Style of Health and Sustainability の略)という言葉がアメリカで生まれて、ささやかな流行語になり始めています。 マーケッティング戦略から生まれた言葉で少し嘘っぽいのですが堅いことを言うのはよしにしましょう。LOHASというのは健康と持続性を両立するライフスタイルのことですが、「持続性」の中身は、環境や産業や生活や人間関係が持続的であるということです。 「健康」と「持続性」とは別々の概念のように考えられますが、実は重なった部分の多い概念です。 持続性を実現するには、循環と共生が不可欠です。 この循環と共生こそが、私たちの祖先が慣れ親しんできた環境――すなわち、私たちの遺伝子が歓迎してくれる環境ですから、健康にも良い‥‥というわけです。 非電化製品は自然の素材を使い、自然の環境に依存します。 「ボタン一つで」というわけにはゆきませんから、ホドホドの運動を伴います。 ホドホドの運動が肥満や成人病や痴呆症を招かない有効手段であることは間違いないでしょう。 少し便利を捨てると得るものがたくさんありそうですが、「健康」と「ぬくもりのある人間関係」が一番大きな「得るもの」かもしれません。 快適・便利・スピード ⇒ 健康と持続的環境 |
電力はあまりに強力ですから、電力に頼れば大抵のことはできてしまいます。 電気に頼りすぎて、負荷そのものを少なくする技術や習慣が衰えてしまいました。 例えば家――昔の日本建築でしたら夏は扇風機だけでもホドホド快適に過ごすことができましたが、今日の多くの建物では扇風機だけでは発狂しそうになります。 このような大きな(時には無駄な)負荷をそのままにして、非電化で快適・便利を実現することは困難です。 非電化製品は、自然のエネルギーや人力を使うので、電力に較べて格段に非力だからです。 無駄をそのままにして‥‥ ⇒ 無駄をなくしてから‥‥ |
■ リープ・フロッグ(跳び蛙) 「リープ・フロッグ(跳び蛙理論)」が実行されていない理由は幾つか有りそうです。 |
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